胃瘻には哲学するほどでなくても

病室からの眺めで気持ち良さそうな天気が続いています
隣のベッドの若者は 一昨日からナースセンターに近い部屋に移動して 彼のことを考えることもなくなりました
それより自分の胃瘻のことをもう少し考えてみます
尊厳死協会の言う代表的な延命措置に 人工呼吸器に並んで胃瘻があります
ALSでは胃瘻の拒否は殆どないと聞きます
既に余程痩せ細ってしまっていなければ 断食だけでは直ぐには大往生できません
その胃瘻拒否で直ぐにでも安楽に死ねる様なイメージを尊厳死協会は世間に宣伝しているのではないかと思います
安楽自死を考えてきたマイクまでそう思ってしまうくらいです
4/8からの2週間のリハビリ入院の前は 延命拒否で死ぬことは無理とわかっていても 世間の目を避ける死に方は それしか考えが浮かばなかったのです
それが到頭その時がきたのですが 入院後のラッキー&ハッピーで気持ちの持ちようが変わり 拒否することなく延命措置を受けることになったのです

それにしても入院中に医師から球麻痺が進行して食べれなくなる前に胃瘻を受けるべきと言う説明はなかったと思うのに 1ヶ月ほど前に突然胃瘻する気があるか確かめられました
(尊厳死の確認?)
ところがリハビリ療法士や看護師からは 誤嚥の頻度が最近高くなり 窒息のリスクを心配していることから胃瘻を急ぐことを勧められ マイクからして欲しい様に頼み実現することに
胃瘻の方法が2種類あることは 三人目の看護学校生に宿題として勉強してもらい 殆ど神妙になることのない手術だと知っていた
どうせ最近の食事はミキサー食で 何を食べているかどうでも良い様な食事で 無理して口から食べる意味が既にないのです
窒息のリスク以上に 誤嚥しないよう注意したり時間を掛けて食べる面倒臭さより早くした方がと決めていました
手術のできる病院に明後日転院するのが決まり 昨日の晩から食事も薬も取らないようになりました
よく考えると 手術・検査の前に必要な断食ではなく 誤嚥性肺炎にならない為なのです
薬も咽せるから止めるのです
昨晩から栄養剤点滴もやむなしだと始まったのですが今朝になってから分かったのは 1日に8時間を3回 それも手術が終わるまでだと気がつく
多分明日から金土日月火水 そしてやっと水木当たりで手術となると1週間は断食ではないか

年初には58.5kgあった体重も今は54.5kgです
1週間の断食で 大往生できるほど痩せられるのではないか?
栄養剤点滴拒否でもすればもっと確実に?

ALS患者にとって 第一関門の胃瘻は この程度の関門です
気楽に受けるべきものを 2〜3月のあの頃の無知だったマイクは胃瘻で尊厳死し院内死亡を真剣に考えていたのです

胃瘻はこの程度でいいのですが 第二関門の人工呼吸器になると 相当難しい措置になると思います
それよりも 気管切開を考える頃は 嚥下で咽せるどころではない呼吸できない苦しさにジワジワと襲われるのです
そんないつまで続くか分からぬ苦しみを 日本のALS患者の7割が延命拒否して更に苦しんでから死ぬのです
完全に自死そのものです
3割は気管切開して 第3ステージ(スーパーALS)になり 長期に家族他の介護で生きるのです 3割しか!
マイクはそうする人には尊敬の念と生き地獄の念と両方を抱いてしまうのです
しかし こんな事実がある  3割の内 男と女は5対2とか
男は連れ合いに介護されるが 女は夫からの介護を諦めてしまうのです
欧米ではこのような性差はなく また日本の逆で7割がスーパーALSになるのです

気管切開の技術は色々あって選択するとなると相当悩みそうです
それ以上に 体の不自由と精神的な辛さの生き地獄にも耐えても生きる意味を見出し それと介護の世話を受け続けることを地獄でなく喜びや感謝と見做せるか そんな哲学を抱えて生きると言う贅沢を躊躇なくどう考えれば選べるか
まだまだ先と思うことでしか 目の前の関門は越えられません
昨日54.5kgでしたが 先程53.5です
どうなるでしょう あるがまま なるがまま そう思うことすら難しいマイクです

マイクに自然死せよ/ 癌も苦しまない/と言う売れっ子医師

昨日の被扶養者とは国民である
国民は 憲法11条によって 扶養者である政府に人権を保証されている
国民はその人権を 政府に改革を要求する権利を持ち 政府は応える義務を持つ
14条はその平等性を保証する
ややこしいのは 平等とは?

平等は「個人の資質、能力、努力、成果に関係なく一定の規則通りに遇するシステムとなっていること」、公平は「すべての人に対し、機会が均等に与えられており、成果を上げた者が評価され、報われるシステムとなっていること」です。

平等に課税され 平等に福利配分される?
公平に相応に課税され 公平に相応に福利に預かる?

人は多様です
多用なシステムを取り纏める至難さ
膨らむユートピアに矛盾と変化
素人マイクをご指導ください

さて今日は『「ひとの世話になってなってまで 生きたくない」とは』 のテーマに惹かれ 中村仁一医師(特養同和園診療所所長79歳)の第278回「自分の死を考える集い」月例会に参加してきました(ラジカット点滴を休んで自宅で気分転換の外泊を申請し許可される)
案内葉書には
『よく、私達は、口ぐせのように「ひとの世話になってまで生きたくない」などといいます。しかし、実際に「どこまでの世話」ということを考えているわけではないようです。今月は、現実にどこまでの世話をさすのか、具体的に考えて見ることにしましょう。』

マイクは 在宅介護で家族に世話をかけたくないので 療養先が確定しない不安で 自死を考えたくらいです
ALS患者の7割が人工呼吸器延命を拒否し 殆どが家族に世話を掛けたくないからです
米国は7割が延命すると言う
フランスではALS専用棟があるらしいが確かではない (家族に負担掛けない施設?)
欧米では延命をほとんどしないと言う話と矛盾するがよく分からない

「欧米に寝たきり老人はいない – 自分で決める人生最後の医療」
宮本顕二 中央公論新社 (2015/6/10)
約200万人ともいわれる「寝たきり」大国の日本。どうすれば納得のいく人生の終え方ができるのだろうか、医療現場からの緊急提言! あなたの選択は? ★医師や看護師も受けたくないという終末期医療 ★救急救命センターは寝たきり老人でいっぱいのなぞ ★ドッキリ! 自然な看取りなのに警察沙汰とは ★胃ろうは、つけるのも地獄、断るのも地獄? ★終末期の高齢者に栄養補給は本当に必要なのか ★だれもが医療の奇跡を享受できるわけではない ★年金受給のため終わりない延命を希望するケースも ★欧米では「点滴で生きていて何の意味があるの?」 ★ひたすら我慢させる日本の医療は、世界の非常識!? ★理想の不老不死、実はみんなが困るのでは? 読売新聞医療サイト「ヨミドクター」で大反響を呼んだブログに大幅加筆・増補!

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今一度思い返してみなければ

ALSになって直ぐにでも死にたかったのに 安楽死は夢見るだけで 自死もできず それなら尊厳死しかないと決めて入院したのに 尊厳死の苦しみを知ってしまい VSEDと鎮静市というものまであること知ってしまったのです
それでもう今一度 尊厳死を思い返してみなければと思いました

患者側からすれば 確実で 直ぐに死にたいのなら 鎮痛死より安楽死を望むべきでは?
と先に書きました
患者側が尊厳死を望んだら 医師がしたがる延命治療を拒否された憤懣で そのまま苦しんでいても放置される懸念があるとも知った
そうはさせないと医師から説明があるのだろうか
VSED(断食往生)は 安楽死の厳しい制限で死ねない患者側が ハンガーストをして抵抗するものの 苦しむこと間違いないのに 医師から放置されるリスクがあるらしい

さて医師からすれば 延命は医師の務めであり 治療は天職であり 何が何でもやりたいに決まっています
古いマイクのブログの書き込みに こうある

「終末期の処置と死の因果立証に司法は次第に遠退いている
現実 医療現場は透析や呼吸器外しを公表して憚らず 実態として安楽死は存在しているのです

しかし一方 胃ろうや呼吸器や 緩和ケアも進歩しており 拒否することに医師からの批判反対も多い
また宗教や弱者差別の倫理に対して向かい合わねばなりません
また オランダでは認知症や精神障害者から視覚障害者へとなし崩しに広がると この書き込みに参考・引用させていただいた京都新聞岡本晃明さんの2018.9.25の記事にあるようなことまで」

かくて 医師にはやりたい気持ちと 司法も同じく面倒に関わりたくない気持ちとがあるが 医療ビジネスとしては 当然 責任を法制化されるよりも無法地帯での 延命を進めるのがやり易いに決まっています

現実はこう言うところなのでしょう
医師やよく分かっている者同士であれば 曖昧な方が良いのでしょうが 患者は突然で初めての病気に 探して探して決めた主治医に運を任すしかないのです
悲運な難病と 医師不信が重なり 死にたくなっても 死に方も分からない不安に取り憑かれるのです

結局何が言いたいのかと言うと マイクがALSになった当初は 不安に取り憑かれて死にたいとしか考えられなかったことを 余裕が出てきて思い直して見たと言うことなのです
尊厳死と決めて落ち着いたと勘違いだったことを知り しかもまだ何時 どんな症状で どんな死に方になるのかが今も分からないのです
こんな甘いことを言うと また必ず清水さんからのご叱責があるのですが それを自分で考え反省するより お聞きすることに快感を覚えるように?なってしまったのかも知れません
これを余裕というとまでは言いません 済みませんが宜しくお願いします

VSEDとか鎮静死より安楽死だけで!

多分 月末のお仕事でお忙しいことと存じます
何よりも生産性ある命に価値を感じてしまうマイクにいつもお叱りをいただくように マイクは現(に)役(役立つ)を終えたことの寂しさを感ずるのは自分だけのことでいいのですが 世間に世話になるばかりなのに 感謝も忘れた年寄り老人が贅沢しすぎと思えて腹立つのです
お忙しいことは羨ましいことです 現役を全うしてください 返信よりも

さてALSを自覚する前の マイクのブログを見返していたら「鎮静死」と言う言葉を改めて知った
そしてまた 当事者として 最期の答えは見つけないとならないのですとも 返信を見て思いました

マイクスタンディングのブログ 2018/9/27 「鎮静死が自殺幇助ではないのに」(最善の死)では

「今朝のラジオ深夜便【明日へのことば】で 「待ち受ける”死”に向けて」の映画監督 関口祐加さんが マイクをびっくりさせるお話をされた
最新作『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル 最期に死ぬ時。』2018年7月
『毎日がアルツハイマー2』(2014)『毎日がアルツハイマー』(2012)
コメディ・ドキュメンタリー作品を心がける明るくて本音で生きる素敵な女性だ

安楽死が 医師任せのグレーな強制処置であることを疑問視し スイス(自死幇助クリニック院長エリカなど)の自死幇助を唱える
また強制安楽死ではなく 鎮静死であるべきとも
日本は自死幇助や安楽死は認められていませんが 人工的に眠らせたまま息を引き取る「ターミナル・セデーション」(鎮静死)は実際に行われています

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