保身を乗り越えて

マイクさん

まずこの往復書簡の副題「ALS患者と大腸がん患者の難病を生きる往復書簡」を、ぼくの前立腺がん診断にあわせて「ALS患者とがん患者の難病を生きる往復書簡」と変えました。ご承知ください。

転院地獄ですか……。ぼくにもそんな日が来るかもしれませんね。
全粥でも咽せるようになったのですね。焼酎はまだまだ飲んでおられるようですね。飲むこと、食べることは、栄養補給という意味ではもちろん、楽しみという意味でもとても大切なことだと思います。ぼくだってそうです。これからの治療のために、体力をつけるためにもりもり食べて、逆にお酒を少々控えようとは思いますが、あまり食べずにお酒ばかり飲んでしまいます。時々は美味しいとも思えないのにただただ飲んでいるなどということも……。ちょっとさみしいですね。

ところで、京都の患者会や難病連の動きが鹿児島に比べてあまり活発でなさそうなことが、この往復書簡を通じてずいぶん気になっていましたが、ここのところようやく分かってきたことがあります。これは具体的に調べたことではありません。あくまでもぼくの個人的な印象です。これからいろいろと取材を進めてみようと思っています。

鹿児島に比べると京都は、公的なサービス・制度が整っているのではないかと思います。さらにはNPOや民間の支援体制などもちゃんと機能しているのではないかと。鹿児島ではそれが不十分なので、どうしても患者会や家族会、患者や家族個人の頑張りがないとやっていけない。だから患者会や家族会、難病支援関連NPOの活動が大切な機能を果たすし、それが目立つのではないかと。
鹿児島県下では、在宅療養の支援の鍵を握る保健所の数が減らされ、行政はサービスを低下させることはないと言っていますが、人員も削減されているので、物理的に支援は手薄にならざるを得ないというのが実態です。そんな中、例えばALS家族会の個々のメンバーは鹿児島県内を隈なく回って、在宅介護や吸引の講習会、諸々の情報発信、患者・家族間の情報交換などに積極的に取り組んでいます。
その背景には明らかに「行政には頼っていられない」という切実な思いがあるのだと思います。

ぼくはいま、これからの治療のことで少々悩んでいます。ホルモン治療を決めたわけではありません。ホルモン治療と放射線治療の組み合わせだと当初聞いていたのですが、ホルモン治療の後の放射線治療だと。しかもホルモン治療は2年間続けると。その結果の効果としては、放射線治療の場合と比べると「効果は上がるかもしれない」ということで、なんら明確に「こうなる」という説明は得られませんでした。

マイクさんが、自分の行く末を説明してもらえないもどかしさ、不信感、不満を盛んに言っていたことを思い出しました。ぼくも同じ道を歩いています。そして同じように悩み、不信を持ち、不満を口にする患者はきっと大勢いると思います。そういう意味でもマイクさんがピアカウンセラーを夢見ているということ、よく理解できるし、ぼくも同じ道を歩くことになるがん患者にカウンセリングはできないかもしれませんが、物書きとしてちゃんとまとめて伝えていくことはできるんじゃないかと思っています。

マイクさんもそうでしょうし、ぼくもそうです。ぼくらは自分自身の個別のことに集中・徹底して、それを他者に伝えることによって、それぞれの病についての情報を普遍化していくことにこれからの多くの時間を割いていくべきだと思っています。それがぼく自身の自己保身、利己・他己を乗り越えていく道だと。

本日2度目の退院/転院地獄はどこの国

この退院がどんな意味があるのかは マイクが当然分かっっていなければなりません
だけども自信持ってこうだとはとは言い切れません
「転院地獄」という現状を誰からともなく厳しい現実だと知ってしまっていたのにです

2/6の告知で在宅療養が基本であると言われたのに マイクは主治医を探しまくり やっと2ヶ月後の4/8に 2週間のリハビリ入院を受け入れていただいたのです
それが2週間の一時退院はしましたが 今日まで 5ヶ月間の入院ができました
どうしてこうなったかも分かりたいのに分かろうともせず なんとかこのまま続いておられそうな そうではないかも知れない不安とともに過ごしてきました
正直申してこんな自分であることに恥ずかしさと自負心のなさを思ってしまいます
最近の書き込みで 何事もこのままでとする日本人の保守性を非難してきましたが 正しくマイクは日本人なのです
そもそもこの病院と主治医を選んだのは かっては長期療養施設であったので 可能性を直感してのことです
ケアマネージャーやデイサービスマネージャーから時代が変わったと諭されたほど でしたが 藁に縋ったのです
そうでなかったら 危機一髪どころか 今ここにマイクはいなかったのです

そのマイクは 十分人生を楽しんだという自覚のある高齢難病患者です
生き地獄よりも 転院地獄よりも そうでなく 在宅療養しかないとなることで家族に負担をかけたくないことを願ったマイクだったのです
それなのに ここ日本は 財政難の国なのです 在宅療養を強制される以外あり得ないと諦めてしまいました
告知の後の在宅の覚悟の辛かったこと そして入院までの2ヶ月の長かった事は生涯最大の苦しみでした

それがラッキーにも ハッピーが連続して 5ヶ月です
このまま行けるのなら何故こうなったかなどと余計なことを考えないことにしてしまって今があるのです
もし医師に確認したら迷惑になるのでは?
誰に相談しても医療の現状を理解していないし それほど複雑なのか曖昧なのかそれすら分からないのです
兎も角 こんな医療という非営利慈善事業にマイクなんぞがととやかく言える云える筈がないと思ってしまいます
でもこれからは れいわが社会を変えるかもしれない?それを待ちましょう?

曖昧で救われる人もいる そんな保守体制に馴染んでいるのです
曖昧な無責任体制を利権として一部に染み付いているのです
貧乏人や要領の悪い人が・・・・・
確実に平等に救われれる共生社会を目指す国連憲法
西欧は哲学して生きる文化
開き直り 諦め 曖昧は日本の風土
慰安婦・徴用兵の日本人の意識は 人権として無意識・未処理なのです
韓国の方がみっともないけれど国際的に正論なのです
国際人権条約の方が後に成立し優位なのです
頑なに日本は日韓請求権協定1965 を唱えるだけで 国際人権規約発効1976を他人事で済ます
共生思想社会ではなく強制排除社会・優生思想社会を保守するのを露わにしているだけです
恥ずかしくもみっともないのは韓国だけではないのです

昨日は主治医に来年末に認可の筈のALS新薬まで持ちますかと鎌を掛けて聞いてみました
その頃に気切をしているかしてないかで効用も大違いだと思いますが 医師として簡単に答えられるというよりも答えるべきではない質問をしてしまったことを反省してしまいました

今日は 石門心学の修正舎の重鎮お二人が早速お見舞いに来て頂いた
11/2の梅岩開講290周年記念講演のご案内も頂きました
告知受けてお別れ報告をして退会した方からも見守られている幸せを嬉しく思いました

今日から3週間の在宅生活を 今後の療養生活のありよう設計に役立つ様に

I should be a Super ALS?

清水さんのお心遣い 畏多くも嬉しく また心より感謝申し上げます

実は ご提案頂き また恥ずかしながら マイクを危機一髪にした主原因の 「在宅療養」のことを 早い段階では 相当夢を持って考えていたのです

事実 近所はワンルームマンションが一杯あるので 1人在宅することを考えて家内と相談しました
一般によく聞く離婚や生活保護を受けることまで含めて 前もって区役所で相談しましたが 収入や相続のことで 無理・不利と言われただけですが それより何より 家内に話して 酷く軽蔑されました
経済的なシミュレーションは今なら出来ると思いますが この先の状況と決まり事や条件も分からず 諦めてしまったのです

まだ新参者の内は 1人住まいして 胃瘻とかが始まる迄は 次々と知人友人を毎日呼んで 毎日酒飲みながら マイクのゴミ屋敷ほどのコレクションを断捨離を兼ねて自慢げに見せびらかす事を そして何よりマイクの生き方を語り尽くしたく思っていたのです
それが何より一番いい個別にできる生前葬だと思っていたのです
在宅療養ではなく 自宅葬儀を友人知人に Bring Your Own Bottles (供養持込)でやりたかったのです
先達ての 生前葬をあれだけの人の協力を得てさせていただいたのですが 質素でも 他の病気ならいざ知らず ALSならではの時間を掛けた個々人とのお別れができたのです
勿論本当は我が家のスペースでもできる筈だと家内に迫っても見ました
結局諦めのいいマイクは 家族の迷惑負担をかけまいと 3〜4週間は死後の遺族年金の確認や相続のことで 忙しく 断捨離と遺書・遺影撮影までしていました

そんなこんなで ALS患者が 在宅療法でしか生き続けられないのが現実だと自覚したのは 2/8の告知から3週間も経ってからです
それまでは 難病を申請し もしもの為の介護認定を受けるためにケアマネジャーを決め 訪問介護の知識を得るだけでも時間が掛かりました
病状からでは判定できないほどのまだ見掛け元気なALS新参者は 認定されるかどうか また要支援程度では何にもならないかも知れないのに判定を2〜3ヶ月待たされるのです
急性期向けの大学病院は外来だけで 主治医を決めたほうが良いと言われて 昔は療養型の病院であった今の病院にお世話になることを決めたのが3/12でした
その間にマイクを悩ませたのが 在宅療養ができない我が家の事情をどうすればいいのかを 考えなければならない事でした
近所で別居することのシミュレーションは この時点では不確かでしかなく考えから外れていたのです
そして「死亡退院」しかないのではないと結論しても その期待すら不可能と知る度に危機一髪に襲われたのです

院内生活にマンネリ化することを恐れているこの頃ですが 症状の進捗と安心安全を考えるこの頃でもあります

転院地獄は日本の貧困/非正規医療でしか

今年の2/6に 告知された後 マイクを危機一髪に追い込んだのは 残酷なALSと言う(生き地獄かもしれない)病を恐れてではなく 在宅療養ができない我が家の事情での(転院地獄)不安に苛まれていたからなのです
が やっと決まったた4/8のリハビリ入院も 2週間では何の安堵にもならず何としても 「死亡退院」しか選択肢が無いと決め込んでいたほどのマイクだったのです

それがALSを天罰と受け止め また天命とも受け入れたマイクに 幸運が降り注ぎ リハビリと点滴治療の入院が4ヶ月続いているのです
しかしこの幸運がどのような事情でもたらされたものか また何時まで続くものかは全く分からず 実はこの先の不安(転院地獄かも)は入院前と全く変わらないのです
今まだ「院内死亡退院」だけが マイクの納得できる安心な選択肢なのは変わっていないのです

ALSには急性期・回復期はなく いきなりの慢性期で その途中に胃瘻や気管切開手術が割り込むのです
素人考えかも知れませんが 実感として老人病院のようなリハビリと慢性期療養ができればいいのです
一寸洒落ていれば 安上がりな特養でも老健でも 何時でも入れると分かっていれば安心できるのにです(現実はALSでなくとも とても入れません)

その転院地獄は 財政難の厚労省が 医療費削減対策の一環としての苦肉の策で生まれた結果なのです
欧米より多い日本での在院日数を下げる名目として 急性期治療技術の進化で 短期治療(と高額医療)を可能にしたとして 在院日数を2週間に制限するルール(それ以上は支給減額)などの節税を目的にしていることが 原因です(2ヶ月 3ヶ月ルールとかも?)
急性期・回復期・慢性期と言う機能分化は効率化を目指せますが 患者には明確でなく 一率で厳格なルールでは運営歪み(儲からない慢性期・老人病院不足)となります
政策で慢性期病院を特養や老健に振ろうとしてるのですが 現実に低賃金にしても儲からないブラック施設は一向に増えないのです
(要介護1のマイクはALS平均3〜5年の命では絶望でしかありません)
また厚労省は 在宅化の政策を一番の頼みにしていて どこの病院も その時期が近くなると帰宅奨励を忖度させられるような締め付けがどう言う形でか なされているとしか思えません
確実にを何と無く強要しているように思えますが 余程の豪邸に帰りたがる患者がいるようには見えません
高齢者増に耐えられない財政不足が 病床キャパの不足となり その犠牲が地獄組になるのです
また在宅の家族労働や 介護・訪問も 非正規労働化と同じ犠牲なのです

先日7/31は 在宅が本当に効率的かを考察して 家族の犠牲を前提にしていると暴いた積りです
今日は 医療の進歩と高額化が 患者の為になっているのかを考えて見たくなりました

医療はどう見ても医師からの一方的に選択指示されたものが実状です
それを患者としては 儲け主義でもしょうがないくらい辛い 慈善事業だと理解するしかありません
しかし入院してみれば少なからず思うところがあります
先ずプライスレス事業です
国民皆保険と 高額負担限度と言う福祉国家の恩恵で 高額総医療費を気にせず請求通り文句なしで自己負担分を支払う
(マイクは年金生活なのに3割負担 上限8万 保険料も上限並みが1年7ヶ月続く「天罰」をALSと一緒に受けたことを 4/13の投稿に保険制度の中間層への矛盾だとボヤいています)

医療処置メニュー選択の自由も余りありません
入院すると管理過剰 に見えることも多く 自己責任らしきことも(酒・外出)NG?
安全管理第一で 患者からの告発を気にし 余計な事はしないか 必要なことしないか 逆に患者に過剰に世話をする
管理コストを無視した安全理想主義とでしか
個人情報の保護は徹底しているが意味‘目的が分からない過剰
欧米では開放的出入りだとも
何よりも 転院毎に 同じ検査を繰り返す

素人マイクの戯言に違いないのですが 全ての医療機関は 厳しい財政と運営にこうならざるを得ないのです
今日は本当は日頃日本の管理過剰な風潮を考えたかったのですが ここら辺りでマイクの思考の限界を感じまして終わります

清水さんの検査結果はソロソロなのでしょうか
マイクは唾の粘度が高くなって 嚥下で咳き込む頻度が高くなり ここ10日ほどで吸引機を使い慣れしたくらいです
粘っこい唾で喋りも悪くなり愈々かと思うようになりましたが?
それとリハビリで初めて 文字盤の体験をしましたが 複雑な気持ちになりました

貧乏はしょうがないけれど理念を失くしては /在宅?

4/8に 2週間だけのリハビリ入院が 如何したことか 途中2週間の退院をしましたが 今日までラッキーなことに 入院が続いています
世話好きで家事などに余裕のある家内なら しかも豪邸なら そうではないのですが 在宅療養できないマイクは ALSはするべき治療もないと退院を迫られて 転院地獄がこれからかと そんなこと覚悟しきれず悩んでいたのにです
しかしお陰で リハビリの効果と点滴の効果で 医師からは進行が緩いと回診の度にいわれて 生前葬までやれたのです
昔聞いたこともなかった転院地獄は何故流行り言葉になったのでしょうか
厚労省ばかりでなく医療機関まで在宅のメリットを謳う
入院生活を続けていると 昔とは違う理由を知りたくなって 数字で見てみることに

先ずは
「死亡前 30 日の在宅医療介護費と入院医療費の比較調査」
http://www.mhcclinic.jp/zt/kenkyu3085.pdf
<考察>
死亡前 30 日以内の 1 日当たりの在宅医療介護費は 24,960 円であり、入院医療費 30,980 円(薬剤料除く)と比べると 約 20%低く、費用抑制効果があることがわかった。すなわち自宅での看取りの推進は、病院 で死亡した場合に比べて経済的な面にも寄与することがわかった。 ただし、当調査では正確な解析ができていない介護費用、薬剤料、また家族介護などのイン フォーマルサービス費用についても更に詳細な調査・検証の必要性がある。

家族の介助マイクはサービスが1日当たり 6,020円以下と見てもトントンなのに です
別の胡麻擂りデータは 1/3だと次のように言い切る

次にもう一つ
「超高齢社会を支える 在宅医療・介護の取り組み」
https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2014/zk102_03_02.pdf
(入院に比べて在宅医療は医療費・介護費を低減する)
高齢者の医療・介護にかかる入院と在宅医療の月額社会保障費比較(要介護度2の場合)

入院(30日間) 一般病棟(10対1)
の場合
487,020円(医療保険)• 入院基本料 17,610円/日×14日+15,030円/日×16日
(実際はこれに治療費用が加算される)

在宅医療(1カ月) 隔週の訪問診療/平均的な介護サービス
の場合
166,080円(入院の約1/3)医療保険+介護保険
• 在宅時医学総合管理料 42,000円/月
• 訪問診療 8,300円/回×2回
• 居宅療養管理指導料 2,900円/回X2回
• 介護保険居宅サービス料 101,680円/月

こちらでも 家族の介助サービスを1日当たり10,698円と見れば トントンなのです

理念のカケラもない財務貧困省は 数字のマヤカシを理解できない厚労省に 家族を犠牲にすればいいのだと 在宅を説得する
(話は違うが河合隼雄文部長官の頃 文化ボランティアを押し進めたのは予算節約でしかなかった 土日に帰宅するように京都に分室を作ったり フルート演奏会を度々した)

数字のマヤカシは容易に作れても 簡単にバレる(金融庁2千万円問題)
何かいいことを言っているようでも そんな効率のいいことがあるのかは 直感でも分かる
弱者を蔑視しても誤魔化せるという傲慢か ただの胡麻擂り忖度でしかありません

どう考えても 在宅では 医師や看護師を訪問派遣させる非効率を隠せないと思います
隠す為には 介護士並みの人件費扱いにするしかないでしょう
外来は患者に非効率でも少ない日本の医師でカバーできる現実的医療でしょう
訪問医はお金持ちの為のものですし 訪問看護ならそうではないとは言えない筈です
訪問介護士の現状は 家族サービス並みに軽視されてしまった 在宅医療介護の矛盾現象なのです
在宅のメリットの一番は 住み慣れた家でと言う事ですが 我が家はそれに当たらず 羨ましくも余程の豪邸の方々です
そんな人がそれほど多くない現実を無視して セレブのための在宅医療システムを夢見る厚労省なのでしょうか
マイクのALSにとって 治療方法もなく看護がいるだけなら 昔あった粗末な老人病院でいいのです
粗末でとは言いません チョットだけ洒落たフランスALS(専門)センターの雰囲気を見習って欲しいけど 大金持ちのALS患者さんがいたら フランスのようにご自分で転院先を考えられるでしょう
いつから貧乏財政日本に慣れてしまったのでしょう
そんなに豪邸をお持ちのようには見えませんし ご家族に介護する喜びを味わえるほど余裕のあるご家庭の日本だったかと疑問に思います

一ヶ月前には遺影と辞世の句を準備

先月のこの日は「安楽自死の計画」を急がなければならない位にあやぶいマイクでした
その様子を マイクスタンディングのブログ2019.3.14の転記でみてみます

「決めていたのに全く今頃になって」
『「完全自殺マニュアル」で探して 迷惑が少なく確実なのは首吊りだと決めていたのですが 今頃になってサイトで 自殺の後処理について調べてビックリ
体から出るものが出て後始末が大変で 病院か警察で検視され 家族の負担は大きいとある
簡単には死ねないと言う事でした

それでも急ぐべきと思い今夜は 孫に着物を着たマイクの遺影を取ってもらった
それと HPの「私の解脱道」にあるマイクの辞世の句を色紙に書き込みました

太田「道灌の山吹伝説」で有名な
七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに 無きぞ悲しき
を本歌取りした

山吹の 花も実もなく ただ幹の 燈明にてや 片隅照らさん

です(幹と明は マイクのファーストネームから)

まだこの程度の余裕があるとは思えないのですが 自死しかないと思っているマイクにまたセーブが入り またまた悩みが深くなりそうです』

かなり深刻だったのですが 家族のこと考えると 世間から理解されることもない自死を マイクが選べるはずがない`
在宅療養したくないマイクにはどんな死が約束されているのか
自分の症状がどう進むのか そ以上に 生き地獄をどこで迎えるのか 先行きの見えない不安に悩んでいたのです
しかし マイクが天命をいただいていることと エンジョイデスの精神はどこかに必ず残していました

マイクの願いも死亡退院

一昨日は、気持ちの通じ合える同病のお二人にお会いしましたが、お二人とも在宅療養です。
結局はその方の環境や個性で、この難病に向き合う態度がそれぞれ大違いだと言う事を確かめただけでした。
マイクにはマイクの在り方を選ぶことになるのですが、マイクが望む病院療養は、ALSと言う特殊な症状と医療制度の矛盾で儘ならないのです。

その晩は、今月までのジムの契約なので最後に顔を出そうかと積りをしていたのですが 疲れとき気力で止めました。
昨日の書き込みがなかったのは、昨日は一日中食欲もなく寝込んでいたのです。
寝込めば寝込むほど考えてしまうのですが。

10日先に、主治医に決めた宇多野病院に2週間のリハビリ入院ですが、それまで生きる目標になるものがなく気力が失せ、待ち遠しいどころか怖いくらい長いのです。
ただ、31日にダンスリーダーのまやちゃんから励ましを聴くことなっており、また先日22日、鹿児島から来訪して頂いた清水哲男さんがそれまでにもう一度来られると連絡がありそれを励みに頑張ります。

マイクも死亡退院を…

2019年3月29日の「マイクスタンディングのブログ」より

「自死確率・・%」

「死亡退院―生きがいも夢も病棟にある」清水哲男 南日本新聞社 (2004/07)

難病と向き合いながら、それでも生きる。人はなぜ生きるのか、ほんとうの幸せとは何かを問い続け、病棟で生きがいと夢を追い求めた36年の生涯。筋ジス患者・轟木敏秀の生と死、そして愛。

の著者清水哲男さんが、京都での仕事の後鹿児島に帰られる前に、マイクの家に来て頂いた。

マイクのALSが、3重苦3重の9重苦であって、天罰としか考えられない事
また、10年間安楽自死をブログで考えてきたことを実践せよとの天命でもある事
を話させていただきました。
在宅療養が難しいマイクの家庭事情を話し、病院死が困難なら、自死を急ぎたい心情をも話しました。

医療制度によって、長期入院ができなくなってALS患者には胃ろうと人工呼吸器の手術のわずかな入院しかできないのです。
「死亡退院」は、筋ジスの苦痛対処が必要で長期入院ができた頃の轟木さんなのです。

ALSの特殊性と医療制度の矛盾について、マイクに社会的なアピールの必要性を話されましたが、その様な気力はもうありません。
その様な矛盾について、色々な方の意見を調べてみますとのお言葉を頂きました。

内向きでネガティブ思考で籠ろうとしているマイクに、外とのコンタクトをご自分とのメール繋がりを含めて大事にするようご指導を頂きました。
最後にマイクに関心と興味を持っていただいたことを知ってこれまでにない嬉しさを感じました。

そこでお礼に、お酒の好きな方だと知っていましたから、マイクのアートコレクションの一つ、陶器で2重構造のマグカップ(蓋付き)をお受け取りいただきました。電子レンジでお酒の燗ができると思いついて、作家に話したらそれを売りにするようになった作品です。

帰りしなに、マイクの心情が自死・・%だとお話したら、納得されたように見えましたが複雑な気持ちになりました。
とにかく今はこの程度の症状で自死するなんて恥ずかしいことはできませんが、何時までか、また良い状況が訪れるかどうかは全く分からない不安で一杯です。