芸セン藝術倶楽部通信当てお礼とご挨拶

鹿児島は大変なことになっています
何時も天災を思う時 個人を超えた運命の悪戯としか思えない その気紛れな残酷さに神仏を疑いたくなります
この半年のマイクは 運命に翻弄されて 天罰と覚悟したり天命と受け入れたり 幸運の神仏に救われたりの 浮沈を味わいましたが 天災ではそれどころではない理不尽な悲運にただ泣くしかないのです

ところで今日も疲れを休めようと飲み食べるだけで 2キロも痩せた体を回復させようとゆっくりしようとしています
今日の書き込みは 昨日と同じ内容ですが 今程 お手伝い頂いたボランティアの方々へのお礼の言葉(芸セン芸術倶楽部通信への)投稿を転記して休養に努めます

「京都芸術センターボランティアスタッフの皆さんに感謝の言葉を」

この6月29日は マイクこと藤井幹明(よしあき)にとって ALS告知後 危機一髪まで沈み込んでしまったのに ここまで再起再生できたことを 多くの方に祝ってもらった まるで誕生パーティのような「生前葬」でした
東京・金沢から親族が家族葬並みに15名 そしてダンス仲間が1/3 ボランテイア仲間が1/4 ギャラリストとアーティスト達 ジムの仲間 元会社の同僚 自治会・町内会 看護師と難病仲間 特にセンター元コーディネーターが何人もには驚き また嬉しかった
「チームマイク」で会場設営だけでなく一緒に踊って頂いた皆さんには深く低頭します
多様な方々250名が一体になって楽しんで頂いたのは 何も私の繋がり広さや深さではなく ダンス仲間のリーダーの執念だと感謝していますが 実は私のALSの残酷さを誰もが理解しておられるからでもあります
そういう意味でも 難病への社会的な理解をという主旨でしたが 私の残酷かも知れないこれからを見守って頂けるならば 世間には沢山の弱者がいることを身近に感じ受け止めて頂けるのではないかと信じられます
私のこれからは生き地獄かも知れませんが 病気を頂いたことで知った弱者の立場から 弱者支援そのものではなく 世間の目が弱者に対して優しい眼差しであって欲しいと訴えるだけでも 情け深い日本人の心を取り戻せるのではないかと このことも信じて残り有る限り生きることと決心しました
私は10年来ブログで安楽死を考えてきたのに 無力な私には絶望感だけでしたが この度のALSは天命として自らやって見せよと 天から仰せ付けられたものです
この難問は叶えられるとは未だ思えないのですが 生き地獄の前にALSのような弱者だけにでも許されるべきかと思われてしようがありません
生き地獄で苦しみ 自死願望する者に同情すらなく「一人で死ね」とネグレクトする人こそ 自殺強要者で閻魔様に裁かれるべきと思ってきました
ALSになったお蔭で また入院して知ったことで 日本の福祉の貧しさが日本人の失った心の貧しさにあることを 鹿児島の作家さんの支援を得て新しく始めた往復書簡ブログhikurashi.comで訴え続けることが出来るようになりました
幸運な私は死に甲斐なる目標を得て エンジョイ・デス出来ると思いながら死を待てるのです
こんな幸せは誰にでもあるということをも また広めたいとも思っています
最後にこんな私をお見守り ご支持いただきたく そして皆さんの益々のご活躍を祈念して止みません ありがとうございました

生前葬して頂けた事ありがたきだけでは済ませられません

先程MBSミントに放映され 無事終わってホッとしています
そして改めて歓喜したのは 摩耶観音の神通力の凄さ絶大でした アリガタヤアリガタヤ❗️

生前葬が執り行われた令和元年6月29日(土)は マイクにとってどんな意味を持つのでしょうか
兎に角 危機一髪の状態から生き返ったを証明してくれたのです
しかも先ず先ず見苦しくない程度のQOL 状態でなければ カンパ制の無料公開とは言え どう祝っていいのか 悔やむべきか迷わすだけのことになります
本当にマイクはそのギリギリの状態だったのですが 結果的に 会場の250名が一体となって楽しめた奇蹟的な式典になりました
それも皆さんからのご厚意とご支援が マイクのこれまでの単なる繋がりの域を超えていたのは 医師が最もなりたくない病気と言われるほどのALSの患者であるマイクへの同情があってのことだと思います
こんなに確かな絆と思い入れを頂けると信じられず 友人知人にお別れをした後 皆さんから遠ざかり篭ろうとした疫病神マイクであったことが恥ずかしくて情けなくて
加えて誰ともなく死にたいと言いまくったこともなのです
しかしそのお陰で救いの神仏に巡り会えたのです
元々のネガティブマイクが自分の縁の大切さに気づかせてくれたのは 死にかけから救われかけた事を感じ始めたからです

色々な意味でマイクが新しいマイクであらねばならない事を 確実に御ます神仏から教えられて まるで誕生日のような記念の日となりました
多くの方々に感謝するとともに期待に応えられるよう心致そうと決心します

しかし だからと言ってこの先は確実にALSに侵されて 本葬が予感されるくらいなんです
でもこの予見こそがマイクに遺された命を計算しながらででも大事に生きるべき事と自覚していけそうにするのです
生前葬の後は命のある限り 天命となったライフワークを実践すること思っているのです
何故なら生き地獄かも知れない終末の前に成果を感ずる為に命掛けてでもやりたいのです
それこそはマイクの死に甲斐として最も大事な「世直し」なのです
安楽死の許容や弱者を受け入れる等の社会の「当たり前化」です

生前葬のパフォーマンスの一つに徹子の部屋を捩って 18人と1分間対話する「マイクの部屋」があって その一人のダンサー「あびる」さんが マイクが6〜7年前に言った事を思い出して頂きました
「ダンスで世直ししたい」と言ったようです
こんな言葉を思い出して頂けたのは ダンサーとしての使命感を持っておられるプロだからのことで この生前葬の一番のお祝いの言葉でした

「自死願望」を経験した難病患者のマイクが必然としてやらねばならないのは弱者に対する支援そのものより 世間の弱者に対する眼を 当たり前の方向に変える事だと元々思っているのです
そのことを 啓蒙実践変革することが マイクの死に甲斐としての世直しなのです
余り実践行動力のないマイクなのですが 生き地獄を前にして怖いもの無しでやらなければ男が廃るというものです
生き地獄までにどの程度のパワーとエネルギーがあるかは不透明ですが 全エネルギーを使い切ることができるかも知れない可能性を持つのがALSのいいところなのです

自ら鼓舞してやり遂げたいとALS新参者のマイクを決心させた記念日になったのです
そう心させてくれました
ありがたきかな ナンマンダブ

そうして明日を目指します。

マイクさん

生前葬パフォーマンス「えんじょいデス」すごいイベントでしたね。
主催者のお話ですと、来場者は軽く250人を超えていたようです。その大勢の人が一体となってマイクさんと時間と空間を共有する。さらには細部まで緻密に練られた演出で、終始楽しみと感動を与え続ける。ほんとうに素晴らしいひと時でした。

ぼくはこのイベントに、マイクさんの往復書簡の相手として、少しだけ関わらせていただきました。すべての予定が終了した後みんなで後片付けをしていて、そのことをとても誇らしく思いました。これだけ大勢の人が集い、みんなでマイクさんを支えようと心をひとつにする、これは繰り返しになりますが、これまでにマイクさんが積極的に社会に関わってこられた結果以外の何ものでもありません。そのマイクさんが一度は社会との関わりを絶とうした。ALSという病気の残酷さ、過酷さをあらためて感じずにはいられません。

でも、あれだけ多くの人に支えられているのですから、マイクさんの人生、行く手は決して困難なだけではないと思いました。あの日のシーンを糧にして、どうぞ生きてください。ぼくもマイクさんの人生に関われたことを誇りに、これからも生きていきます。そうして明日を目指します。

イベントで朗読された構成詩です。
ぼくとマイクさんのやり取りをよくここまでまとめてくれたなあと、感服しました。
そうして感動しました。マイクさんの姿を思い浮かべると今も目頭が熱くなります。

構成詩「Enjoy Death」

マイク 
2/12 未練はありませんが
2/13 どうなる事でしょう
2/23 マイクが……悩む……についても真摯に考えて頂いたしかし……難しい問題なので・・・ここまでに

清水  

3/26 マイクさん、一緒に考えていきましょう
おはようございます。清水哲男です。先日は長時間お邪魔致しました。ご迷惑でなかったでしょうか。ぼくにとっても貴重な時間でした。いろんなことを思い、感じ、考えさせていただきました。生意気なことも申しましたが、どうぞご容赦ください。どのような形がいいか考え中ですが、ぼくはマイクさんと一緒に、なんらかの形で社会に関わるようなことがしたいと考えています。それがあの時ぼくがお話しした外と繋がるパイプになるのではないかとちょくちょくご連絡させていただくことになると思います。暇つぶしだと思っていただいて、どうぞよろしくおつきあいください。ありがとうございました。

マイク 
3/26 清水哲男さんが、京都での仕事の 後 、鹿児島に帰られる前に マイクの家に来て頂いた。マイクのALSが、3重苦3重の9重苦であって、天罰としか考えられない事また、10 年間安楽自死をブログで考えてきたことを実践せよとの天命でもある事を話させていただきました。

マイク 
3/26 今日は落ち込んでいましたが……気分転換にはなっていません
ネガティブ思考でボヤキもの の マイク で す か ら……

清水  
3/26 今日はずいぶん調子が悪かったですね。ありのままの姿で……生きて外の世界に……いっぱい話して……いっぱい一緒に……

マイク 
3/29 清水さん、昨晩焼酎が届きました。

清水 
3/29 マイクさん、お送りしたお酒で対酌しながらもう少しお話をさせていただけませんか?

マイク 
3/29 ネガティブになっています。ネガティブになっています。

清水  
3/29 僕はネガティヴになることも、一つの力だと思っています。

清水  
3/30 生きる目標……。生きる目標。

マイク
4/1 清水さんから頂いた焼酎を精神安定剤として朝から楽しんでいます。

清水 
4/4 酒は魂を解放する薬ですから。

マイク 
4/8 ここれからぼくはどんなふうになって、どうやって死んでいくのかちゃんと知っておきたい。

マイク 
4/10あるがままに成るように成ると思えるマイクになる修行の場として受け入れることにしました。

清水  
4/11 無力なぼくにできるのは、話を聞き、そうして心の中でぎゅっと抱きしめることくらいなのです。

マイク 
4/11なるがままにそれを待てと言えるでしょうか。

清水  
4/11ポケットにいつも「死」というしわくちゃになったメモ紙をつっこんでほっつき歩いているような、そんな感じなのです。

マイク 
4/14生き地獄になったら篭るしかないのです。

清水  
4/16慰めたらいいのか、励ましたらいいのか、知らんぷりをしたらいいのか……

マイク 
4/16愛に応えるだけのマイクの愛を育みたいとマイクは誓います。

マイク 
4/20 生:死 強:弱 若:老 動ける:動けない健康:病気 惨め:立派……

マイク 5/9 恥ずかしく
清水  5/10ひょっこり顔
マイク 5/10向き合う
清水  5/13生きていたい
マイク 5/13 プライスレス
清水  5/22丸裸に慣れてきた
マイク 5/24ルンルンルンルン
清水  55/28 寄り道 回り道
マイク 寄り道 回り道……
清水  寄り道 回り道……

写真撮影=金久まひる(マイクさんのお孫さん)