プライドは捨てられません

癌というギャンブル的病気と闘っておられるだけに また色々な状況を経験されておられれるだけあって 何時もいつもお教えいただくお言葉には毎回毎回目覚めさせられます
11条は 国民の生きる権利と国の義務を説いています
マイクは死ぬ権利ばかりを義務かのように思ってしまっていたのかも知れません
確かに生きる権利があるならば 生きるべき義務もあるのを気づかせていただきました

マイクのALSは 地道ですが計画的な逃病を許された地味な しかも確実性の高い病なのです
発症から暫くは人ために 家族のためにと断捨離に精を出し 迷惑や苦労を少なくしようと色々の手続きを済ましたりしましたし その余裕がありました
しかしこの先は確実に自分を惨めに思うようになり 家族にも負担になるのが確実な病です
それでも生きているだけで満足する家族もあるでしょうし でも多分私の意思を大事にしてくれるのがマイクの家族だと信じています

昨日の書き込みで マイクが生き地獄になった自分を卑下するような人間であることを白状しました
しかも まだ生き地獄とはどんな状態をマイクが思い込んでいるかも分からず 唯なんとなく惨めな自分を想像するだけなのに

また 自分自身を差別視すような人間だから マイクがそんな人間になるくらいならと自死を覚悟してしまうのも容易だったのです
このような弱者を見捨てるようなマイクが本当なのではと思い知ってしまうのです
こんなマイクに九重苦を天罰としてALSをもらったのかも知れません

マイクのこう言う性格はどこから来たのでしょう
弱者差別は 社会的には 文化や倫理観から生まれるにしても 個人の生まれ育ちにもよるのでしょう
黒人差別は白人のエリート意識
知識人もその傾向がないとは言えない
それと理系のマイクは なんでも価値観で比較しようとする
QOLを弱者や他人だけでなく 自分自身の元気な時と生き地獄になった時とで絶対値比較で捉えようとするのです

生きる価値を生産性と人件費で考え 命をコストで捉え 赤字の命を許さない
勿論そうならなうように対処策を実践するための捉え方としてはいいにしても 冷徹すぎて 人権無視と批判されるに決まっています
しかしそのようにするしかない時代が来るとカール・ベッカーも言っている
マイクまでこんなことを言っていると 誰にからも看取って貰えないに違いありません

街を歩いていてもお年寄りを見るにつけ何時もこんな見方をしてしまう
そうでなくとも この難病病棟にはいっぱいいるのです
隣のベッド方はまったく動かず反応もないのに 確かなのは家族のためにだけ生きておられる
ご本人に意思があるようには見えないのです
ご本人とご家族が選択されたと言うより 成るように任せただけの結果のように思えてしまうのです

今 週2回の風呂を済ませてきました
マイクは自分で洗えますが 洗ってもらう人ばかりです
隣のベッドの方はストレッチャーに乗せられたままのスチームバスでしたが その下肢は見るに耐えない細さでした
そう思ったマイクは 自分の右腕の下腕筋の細くなっている自分自身に気づいてしまい寂しくなる

この問題はマイクには辛い課題なのです

いま点滴中です
看護師に山田さんの点滴パックの写真を見せたら 「やめて下さいよ 私らには生活に関わりますよ」と大笑いされました

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です