
マイクさん
またまた返信に時間がかかってしまいました。すみません。
5月7日に大腸がん手術後2年半の検査・CTを受け、昨8日に結果を聞きに行ってきました。結果は異常なしでした。何があっても不思議じゃないな、仕方がないなと思っていましたから、なんとなく命拾いしたような、得したような気分になっています。どこまでも単純な僕です。
この間マイクさんが大変な状況に差しかかりつつあること、この往復書簡はもちろん、雅子さんとのやりとりの中で承知はしていました。そうしてマイクさんがどういう結論を出されるのかを静かに見守りたいと思っていましたし、今もそう思っています。
でも僕はあえてマイクさんにお話ししておきたいことがいくつかあります。その1つがADLとQOLの問題です。マイクさんはADLの低下がQOLの低下につながる、あるいはADLが低下すればQOLの向上は期待できないと考えておられるように思います。表現としては「準スーパーのALSのADL(activity of daily life )がどの程度ありQOLを期待できるかは成り行きでしか分からないかも知れません」という程度に留めておられますが。僕には〈身体が動かなくなったら生活の質は維持できない〉って読めるのです。とくに「成り行きでしか分からない」という部分ですね。
自分で求めたら、自分から求めたらいかがでしょう。
僕は身体が動かなくなっても、自分のやりたいことをやり続けている難病患者をたくさん知っています。彼ら彼女たちは、自分のやりたいことを身体がどんな状態になっても求め続け、やり続けてきました。その1例が以下に紹介する石橋悦子さんです。この記事は2004年の記事です。彼女は今でもちゃんと自分の意思で生活しています。身体も動かないし声も出ない。でもちゃんと意思を伝えて、大勢の人と思いを共有しながら生きています。
彼女の姿に、僕はADLとQOLを考えるヒントが隠されていると思います。どうぞ読んでみてください。





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