マイクさん
長く返信できずに申しわけありませんでした。
〈身体と意思伝達の不自由がこうも進んでくると、忘れかけていた願望を無視できなくなってきて、ストレス発散するためにありのままを曝け出してしまいました〉
ありのままを曝け出せるこの場があってよかったと思いました。自画自賛ですね(笑)
ぼくが長くお返事できなかったのは、ぼく自身が少々塞がっちゃってて、どこに出口というか、外と繋がったらいいのかわからない日々を過ごしているのです。covid-19のせいですよ。
女優岡江久美子さんcovid-19感染による急死は、本当にショックでした。乳がん→放射線治療→免疫低下→covid-19感染→重症化→死亡。この図式、流れはぼくにもあてはまる。このことが頭から離れず、怖くて怖くて、もちろん外へも出られず、会いたい人にも会えず、行きたいところにも行けず、仕事も手につかず、酒も飲めず……、ただただ閉じこもっているだけの暮らしです。まとまった文章を書くにもなんとなく力が入らなくて。
ずっと1人ですから誰と会うこともなく、通信することもなく(仕事でネットを使ったテレワークはありますが)、1人で感染発症して、1人で死んじゃうんじゃないか。そんなことも現実味をおびているかのように感じます。情けないですね。ガンという治らない病気でさえ、環境や状況でものすごく不安になる。マイクさんの不安や苛立ち、そうして願望の再燃みたいな感じ、なんとなくわかるような気がします。
でね、ぼくはひとつの決心をしました。この不安な時期を文字、音声、写真、映像など、自分にできる記録の方法で徹底的に記録しておこうと。人が見て何か分からなくてもいいんです。ぼくがこの世から消えた後、誰かがそれを見つけて、いろんな解釈をしてくれたらいいと思います。生きている間だけが意思伝達じゃないと思いました。生きている間だけって、やっぱり生きることへの執着なんでしょうね。
ぼくもマイクさんも執着だらけだ(笑)
〈揺れて揺れる〉
揺れましょうよ。で、願望も何もかも、曝け出しましょうよ。そのための往復書簡だったはずですよ。何もかも曝け出しましょう。主治医や担当医、看護師さんたちへの文句や恨みつらみもたまにはいいじゃないですか。曝け出しましょう。
そんなことを煽りながら、ぼくは悪魔になった気分です(笑)