
マイクさん
〈実は昨日の書簡を書くのにビックリするほど時間が掛かったように思います〉
14日の書き出しを見て、すぐに13日の投稿を見、なるほど短いなと思い、心配して14日に戻りましたが、心配したよりはるかに長文(笑)で、ホッとしました。
返信に長く間が空いてしまいました。申し訳ありません。
この間拙著「揺れて歩く」が上梓されたのはご存知の通りです。これ、マイクさんが多くの支援者、仲間に支えられているのと同じように、ぼく自身が大勢の皆さんから多大な支援をいただいた、大勢の皆さんの思いの「形」として出来上がった本でした。今は出来上がっら喜びに浸るよりも、感謝の思いでいっぱいです。お一人お一人に返礼したり、本を届けたりで少々忙しい日々を過ごしておりました。
〈お母さんが、療養しながらの心の揺れ動くマイクに、一杯のことを教えて頂けるものと思います〉
ぼくもたくさんのことを教えてもらってます。母本人にはそんなつもりはないでしょうが、言葉のひとつひとつ、文字のひとつひとつに、いろんなことがにじみ出ています。ついこの間も出来上がったばかりの本を渡しに行ったら、自分が書いたという書を見せてくれました。そこには
山をこゆる
と。その山が何なのか……。今なら差し詰め新型コロナウィエウスのことかもしれません。でも母が96歳の時間を持って「山」と言ったとき、なんだか強烈なものを感じてしまいました。多くの山があり、多くの谷があった。それをもがき苦しみながら、泣きわめきながら、時には笑い楽しみながら越え、渡り、そうした結果が今の平穏だよと教えてくれているように感じました。山も谷もすべてが今に繋がっていると。ひとつひとつを思い悩まず、右往左往せず、時間をかけてゆっくり越えたらいいよと。そう思うと全身から力が抜けて、楽になりました。
〈どう発展するか分かりませんが、ナイチンゲールに巡り会えたのです〉
雅子さんに病棟引越しの後、なんだか落ち込むことが多くて落ち着かない毎日が続いていると聞いて、少々気にしていました。でもこの一言でちょっとホッとしました。前の病棟のような日々が戻ってくるといいですね。これから看護師さんやスタッフの方とも打ち解けて、過ごしやすくなればいいですね。でもそう思うと、やはり「マイクの部屋」構想は何としても実現したいなと思います。
〈スーパーになって病院で存えるのはマイクにできそうもありません〉
その思い、不安は痛いほどわかります。伝わってきます。遠くにいるぼくがこんなことを言うのもなんですが、ひとつひとつ解決して実現に近づけましょう。まずそれを直近の目的にして前に進みましょう。それをぼく自身の目標にしたいとも思っています。マイクさんのためだけではなく、自分自身のためにも。