がんになったことからはじめる

マイクさん

なかなか返信できず申し訳ありません。仕事をしながら14:00〜16:00の治療を続けています。この時間帯は仕事をしている時間としてはまさにゴールデンタイム。いちばん捗ったり、その日の重要な局面に差し掛かったりするその時間。なのに仕事を離れなければならず、けっこうもどかしい日々を過ごしています。
副作用はそんなに深刻なこともないですが、少々尿もれがひどくなり尿取りパッドもさらに分厚いものに変えました。でも尿もれで死ぬわけではないし、日常生活への支障はパッドが取り除いてくれます。はじめはちょっとカッコ悪いなって思いましたが、使いはじめるとけっこう快適で(笑)手放せなくなりそうです。
治療は32回を終え、あと5回を残すのみとなりました。それで前立腺がんが消えてくれたら言うことないのですが。

〈肺炎のそのものの所為か、必要以上の絶食ではないかと納得できない所為なのかどうかは確かではないが、兎に角体力気力が落ち込んでいるのは間違いないのです〉

ALSで最も大切なのは体力! それがマイクさんが強く言い続けてきたことですものね。胃瘻も体力維持のためにという思いが強かったと記憶しています。なのに胃瘻造設で2キロ痩せて、肺炎の絶食でもう2キロ。なんだか治療の一環なのか、窒息というリスク回避なのか、どちらが目的になっているのかよくわかりませんね。ぼくの抗がん剤治療とか放射線治療とかは、どんなに副作用が出ても生きるための治療だとはっきりしているので、納得して受けられるけど……。
振り返ってみると、マイクさんがいちばん大切にしてきたのはこの納得するということじゃないかと思います。ALSとはどんな病気なのか、予後はどうなるのか、胃瘻造設は、気管切開による呼吸管理は、閉じ込め症候群は……。一つひとつ調べ、聞き、考え、納得した上で次の段階に進むマイクさんの冷静さに研究者としての姿を見せつけられ、感情で動く自分をダメだなって何度感じたことかわかりません。

〈でも病院のままスーパーになっても、世間との繋がりは難しい。マイクの家ができたとして何が出来るか 何をしたいか次に考えてみたい〉
〈マイクの家(部屋)は閉じ籠る為ではない〉

ぼくは、これ大賛成です。ぼくはもとより「マイクの家」を療養のスペースとしてだけ提案してきたわけではありません。どちらかと言えば、エンジョイ・デスを全うする場、世間に発信するための場として「マイクの家」を考えてきました。病院のままスーパーになったとしても、病室をベッドの上をエンジョイ・デスを全うする場、世間に発信するための場としてとらえ、動いていければいいかなと思っています。だから、身体的介護、介助はもちろん大切ですが、そういう活動を支えることもちゃんとサポートしなければならないと思っています。

〈少しでも元気なうちに何をしたいか、何をすべきかを明日から考えます〉

マイクさん。ぼくも一緒に考えます。そのためにぼくに何ができるか。一緒に考えさせてください。

〈これはALSのお陰だとも〉

ぼくも同じようなことを思っています。がんになんてならない方がいいに決まってます。でもがんになってはじめて気づいたことや、知ったことがあります。がんになったお陰で、自分は恵まれているんだと知りましたし、幸せだと感じることさえあります。今は、がんになったことからはじめて何か新しいことを、あるいはがんになったからこそ何かできることをと思っています。

忌み嫌うべき病ですが、がんはぼくの一部でもあります。間違いなくぼくに何かをもたらしてくれるはずです。それを信じてちゃんと向き合っていきたいと思います。

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