あえて言います。頑張りましょう!

マイクさん

いきなりですが、頑張ってください! いえ、頑張りましょう!
ぼくはこの「頑張る」という言葉があまり好きではありません。特に人に向けては、あまり使わないようにしています。「頑張って」と言ったとき、その人はすでに十分すぎるくらい頑張っているに違いないですから。でもあえて、今日はマイクさんに「頑張って」と言いたいのです。

ただしこれは、何が何でも頑張れってことではなくて、軽く背中を押す程度のことだと思ってください。もうすでに頑張ってこられたマイクさんに、これ以上頑張れというのは見ている人間のわがままだとさへ思いますから。

〈これからの生き地獄への時間軸を感ずるようになった〉

この一言は、ぼくにとって衝撃以外のなにものでもありませんでした。現実と向き合って、ALSの事実を後に続く患者や家族、さらには社会に発信していくことこそが、ALS患者としての社会的役割だなどと言い続けてきましたが、マイクさんのこの一言で、全てが凍りついてしまいました。ぼくの言葉のいかに軽かったか、いかに虚しかったかということに。

しかしマイクさんはその「生き地獄」に対しては「全て覚悟済み」だと。そういうマイクさんに対して、ここ2日の投稿を読んで「頑張って」という言葉しか持ち合わせていない自分自身の浅はかさ、いい加減さを嫌というほど感じています。ぼくも、ひょっとするといつか余命宣告を受けるかもしれません。そのときの覚悟はできているはずなのですが……。

昨日も放射線治療のための位置決めをするためのCTを撮り、マーキングをしただけなのに、いろんなことを妄想して疲れ果ててしまいました。情けないです。とてもじゃないですが全て覚悟済みだなどとは言えません。

「マイクさんは、強いなあ」

これがぼくの素直な思いです。ぼくも強くなりたいなあ、と。

〈ボヤキにはマイクの現実に見つけた非合理や矛盾が煮えたぐっていて、妄想に繋がるのです。マイクはその妄想を精度の高い未来像に発展させたいと思っていますが、実際には無力なマイクでは願望で終わるのが現実です〉

ぼくのボヤキには泣き言しかありません。自分を悲嘆し、こんなはずじゃなかったと。ぼくのボヤキの中には社会の非合理や矛盾の投影など微塵もないような気がします。弱虫の自己中です。だからこそ、マイクさんのお手伝いがしたいと改めて思いました。ぼくの中にはない非合理や矛盾、マイクさんが感じている非合理や矛盾を、社会に発信し、大勢の人と一緒に知恵を働かせ、精度の高い未来像に発展させるお手伝いを。

マイクさんが言うように、人は誰しもひとりでは無力です。でも、ひとりの小さな思い、声を繋いでいけば、共感がひろがれば大きな声になり、大きな動きになるのだと思います。そうすることで精度の高い未来像が生み出せるのではないかと。ぼくらの時代でなくてもいいです。もっと先になってもいい。その未来像が実現できるそのために、ぼくはマイクさんの見つけた非合理や矛盾を大切にしていきたいと思います。

だからずっとボヤキ続けてください。煮えたぎらせてください。
そうしてぼくは、自分自身にも、マイクさんにも、軽く背中を押すくらいの気持ちで言います。

頑張りましょう!

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