すべての思いを共有したい

マイクさん

胃瘻造設手術お疲れ様でした。気分はどうですか? ひょっとすると痛みがあって大変かもしれませんね。
ぼくの場合、いやがんの場合、進行しているにもかかわらず、痛みを伴わないというのが恐怖であり、不安でもあります。痛みというのは、身体がダメージを訴えてるんですよね。がんの進行にほぼ痛みを伴わないというのは、身体がダメージを感じてないということかな……。ですよね、きっと。「悪性新生物」などと言ってはみても、自分の細胞の一部なんですもんね。自分自身なんだ。だから痛みも感じない。異変は静かにひろがって、身体自身がダメージを訴えるようになると、状況はとんでもないことになっている。恐怖です。

バラの花1輪。マヤさんの心遣いうれしいですね。どんな状況にあっても、マイクさんをダンサーとして認め、受け入れようとする。すごいことだと思います。ぼくは胃瘻で栄養補強をしながらクローン病と向き合い、現役の競艇選手として活躍している人を知っています。マイクさんも胃瘻造設での傷が癒え、ちゃんと栄養補給ができ、体力が回復したら引き続きダンサーとして活躍できそうですね。楽しみにしています。

〈清水さんも 手術にするか放射線にするか抗癌剤やホルモンにするか。夫々の担当医の言い分の違いで迷わされてはいませんでしたか〉

たしかにそれはありました。前立腺がんの専門医は、ホルモン剤治療を主張しましたが、放射線医は放射線治療で十分と主張しました。その間を結構揺れましたし、悩みました。でも、放射線治療を受けると決めてからは迷いはありません。来年年明けからの治療開始で、がん発見から半年以上経過するわけですが、進行して手遅れにならないかと不安もなくはありませんでしたが、それまでPSAを測定してちゃんと観察しましょうという双方の医者の言葉で、今は安心もしています。やはりいちばんよくないのは〈不安〉だと思いました。わからないことに起因する恐怖と言い換えてもいいかもしれません。マイクさんが、自身の予後がどうなるのかわからないのが不安だと言っていたことを思い出します。

そう思うと、

〈生き地獄 介護地獄 転院地獄〉

の3つの地獄の中で、どれも経験したくはないけど、やはり〈生き地獄〉だけは避けたいなとぼくも思います。介護地獄、転院地獄については、いろんな人の状況を垣間見ることでなんとなく想像はできますが、〈生き地獄〉だけはどうにもこうにも想像も予測もすることができない、まったくの未知の状況です。怖いです。マイクさんの不安がどれほどのものか、もちろんわかるわけはないのですが、それを想像するだけで怖いです。

〈それよりもまずまずの楽しく生きていることを喜び過ごすことの方がいいのかも知れません〉

もちろんそうだと思います。今日生きていることを、まず喜びとする。そのことがいちばん大切だと思います。でももし恐怖や不安で押しつぶされそうになったら、そのままを伝えてください。どこまでできるかわかりませんが、自信はありませんが、どのような思いもひとつ残らず共有できたらと思います。共有したいと思います。

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