
マイクさん
〈たかがボデイピアスぐらいで〉
ちょっとニンマリしてしまいました。なんだかハードボイルドだなあって。フィリップ・マーロウでも現れそうですね。ボコッ! バキッ!て音が聞こえてきそうです。
そう思うと〈遣り過ぎ〉という言葉も、万全を期すという意味であっても、なんだか妙にハードボイルドに聞こえます。ぼくは自分の手術の前に執刀する若い医師にたずねました。1週間にどれほどの人数を切り刻むのかって。するとその医師はニタっと笑いながら、
「最近は切り刻むようなことはありませんよ。穴を開けて、そこからアームのようなものを突っ込んで……」
と、細かく説明してくれました。人数については「それなりの数を」と。患者に対しては合併症の恐怖、不安を煽って、それまでに口腔内のケアまでしろという割には、執刀する側は相手が変わるだけで、まあまあ日常なんだなと思いました。普通のことなんだと。じゃあ、こちらも必要以上に不安になることはないな。日常茶飯事の1コマにはまってりゃあいいんだと。
そんなことを思いながら読み進んで、
〈今朝から栄養剤点滴とラジカット点滴のルート(針)セットに6回も失敗。体重も昼には53kジャストに減っている。
なのに主治医は回診で、胃瘻の後は筋肉を沢山つけましょうと言う。ALS患者にそんなことできるのでした?〉
ここまできて、申し訳ないですが、プププププと噴いてしまいました。ハードボイルドというか、ブラックというか……。
こうなると、難しいかもしれませんが、不安かもしれませんが、すべて身を委ねてあるがまま、成るように成ると思うのがいいのかもしれませんね。
明日は明日の風が吹く
マイクさん。ハードボイルドに生きましょうよ。
カッコウよく生きましょうよ。