マイクさん
人間ておかしなものですね。自覚症状なんてカケラもなかったのに、あなたは病気だと指摘されると、突然あちこち痛くなったり、違和感があったりで、突然重病人になった気分になります。病は気からとはよく言ったものです。って、ぼくは明らかに重病人なんですけどね(笑)
そうなると厄介なことに、気が滅入ったり、凹んだりするし、なんだか毎日が、身の回りすべてのことが、うまくいってないようで憂鬱な気分になります。そんな時ぼくはマイクさんの顔を思い浮かべます。今日は雅子さんから、マイクさんがまだ自転車で出かけていると聞き驚きました。握力ゼロの右手でブレーキは大丈夫なのかと。すると雅子さんが「もともとブレーキは使わない人だから」と笑ったので、つられて笑いましたが、くれぐれも気をつけてくださいね。ALSじゃなくて交通事故で死んじゃったなんていうの、やめてくださいね。
でもそこまでして、自分の思いを通そうというマイクさんの姿勢に、ぼくは励まされているし、断固支持したいと思っています。ぼくもマイクさんのように生きたいな、と。
ところでここ4回のマイクさんのポスト、興味深く読みました。で、自覚症状のことが頭に浮かんだのです。自分では何もわかってないんだなって。いや、病気のことじゃなくて、自分がどんな社会に生きているのかってことです。なんで医療費ばかりが問題になるのでしょうねえ。なんで高齢者がお荷物扱いされるんでしょうねえ。これって、高齢者に医療費をかけるのが国家財政の危機を招いているって、みなさんそういう認識なんですよねえ。だから抑制しろと。
そんな主張に賛同する人も多いから、社会全体がそういうものの見方になる。その結果、高齢者に冷たい社会になりつつある。ぼくはそう感じています。
「無駄」なんですよ。高齢者を生かしておくことが。LGBTに対する姿勢もほぼ似たようなものですし、障がい者、難病患者に対しても同じだと言ってもいいかもしれない。LGBT、障がい者、難病患者はまだ許せるんでしょうねえ。少数派、マイノリティだから。だけど高齢者はそうはいかない。社会の大多数が高齢者になっちゃう。だから始末しちゃえ……。
そんな感じかな。
高齢者、老人、年寄り……、呼び方はなんでもいいけど、そう呼ばれる人たちは邪魔者扱いされるような存在ではなく、逆にレガシーとして大切にされなければならない存在だと思います。多くを学ぶ経験と知識の宝庫で、尊敬の対象にすべきだと。96歳の母は、身体は思うように動かなくなってきましたが、頭の中は聡明でしっかりしています。学ぶべきことは山ほどある。たとえばこれが逆だとしましょう。身体は動くけど、認知症になっちゃったと。どちらにしても介護が必要なことに間違いはない。歳をとるというのは、生まれてから独り立ちするまでの子どものように、手がかかるものなのです。子どもは邪魔にしないのに(最近は邪魔にする親も多いようですが)、高齢者は邪魔だっていうの、ぼくは自分で自分の首を絞めてるようなものだと思えてならないのです。子どもだっていつかは高齢者になる……。
財政のことでいうと、医療費や高齢者福祉のことがすぐに抑制の対象にあげられますが、じゃあ戦車を買ったり、戦闘機を買ったり、道路や橋をつくったり、そこら中に新幹線を走らせたり、もっと早い列車を走らせたり、米軍を思いやったり、オリンピックをやったり、国内の災害復興にお金を費うより海外にばらまいたり、そんなことの中にもっと無駄はないのでしょうかねえ。
麻生さんももっと考えてくれたらいいのに。ん? 麻生さんも高齢者じゃないのかな……。あ、お金持ちだからなんの心配もないのか。あ、そうか。お金持ってたら人のことなんかどうでもいいんだ。お金持ってたらいいんだ……。